ニブペンで書くカリグラフィーに適さないインクの特徴の紹介

ニブペンで書くカリグラフィーに適さないインクの特徴の紹介

はじめに

前回は、カリグラフィーに適したインクの特徴を紹介しました。
今回はその逆、カリグラフィーに適さないインクの特徴を紹介したいと思います。

カリグラフィーに適さないインクの特徴なんて、紹介されることはあまりないかと思いますので、参考になれば幸いです。

※以下でお話することは、あくまで好みの問題ですので、みなさんのインク選びの参考までにということでお願いいたします。

カリグラフィーに適さないインクの特徴

カリグラフィーに適さないインクの特徴は、先にカリグラフィーに適したインクの特徴で申しました点の反対、つまり

  • 粘度が低い
  • 粘度が高い
  • 非耐光性
  • つや有り

になります。

粘度が低いインク

粘度が低いインクは、サラサラしています。

一見良さそうな感じを受けると思いますが、ペン先から多くのインクが流れて(インクフローが良すぎて)、書いた文字が太くなりやすくなります。

そうなると、細い線(ヘアライン)が表現しづらく、終筆でのはねでかすれが表現できなくなります

はねがベチャッと潰れた感じになり重い表現になります。

結果、全体的に洗練された雰囲気が出づらくなり、重たい印象になります。

以上の特徴を持つインクとしては、万年筆用・グラフィックアートが該当します。

万年筆などはペン先が目詰まりしやすい構造なので、目詰まりしないようにインクはサラサラとしていた方が良いのです。

そしてその殆どが、染料系インクになります。

(顔料系もありますが、顔料系インクを入れた万年筆の維持管理には細心の注意が必要ということです)。

粘度が高いインク

粘度が高いインクは、ネットリとしています。

粘度が高いインクを使うと、

  • インクが出にくい
  • 字が掠れ過ぎる
  • ペン先が目詰まりする
  • 書けなくなる

という状態になります。

しかし、粘度が高いインクは、粘度が低いインクと異なり、どうにか使えるようになります。

それは、「水で薄める」ことです。

ですので、そのままでは使えませんが、水で適度に薄めれば使用可能になりますので、実はニブペンで書くカリグラフィーに適さないインクではありません。

長期保存に適さないインク

「長期保存に適していること」で前述した通りです。

光に弱いインクは、時間が経つと退色して、作品の保存が利かなくなります。

ですので、作品用には向かないと考えた方が良いと思います。

ただし、練習用なら使用しても問題は無いと思います。

染料系インクが、これに該当します。

乾燥時につや有り

「乾燥時につや消し」で申しました通り、好みに大きく左右されますので、あくまで筆者の主観ですが、つや有りですと、

  • 安っぽく見える
  • 照明でてかって作品を鑑賞しづらい

と感じます。

再度申しますが、あくまで好みの問題です。